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日本の農業は大きく変化している。
この変化は以前から予測されていたものである。
都市近郊の農業は壊滅に近い衰退と、農業従事者の高齢化で農地は遊休農地化している。
この農地も「相続税」の問題もあり、更に今後宅地化と荒廃農地は拡大する。

都市空間の環境保全、災害発生の避難場所確と共に、都市生活者の趣味の多様化をとしての余暇、
また、企業の労務、健康管理として週末生活、食の安心安全志向から自産自食の野菜を家族と共に作る喜び・・・
などから、「市民農園」「貸農園」のニーズが大きなものになっている。
農地の遊休化と、一方には狭いエリアで作物を作りたいニーズとがあり、
これを結びつけるものが・・・21世紀の・・・「棚田」ともいえる「市民農園」である。

日本の棚田百選。
昔は、農村貧困の象徴ともいえる「田毎の月」に見られる棚田。
貧困から生まれた風景である。
その風景を・・・美しい・・と感じる美学が都会人には昔もあった。
そういう観点から見れば、都市近郊の畑を区画して「狭い空間」にして、作物栽培するというのは、
農業と乖離した21世紀の都市生活者が作る「棚田」である。
農地を保全するためには、こういう農地利用もあるということである。
畑を使う市民農園と、都市中のビル屋上に作られる「貸農園」とは、根本的に理念が異なる。

市民農園、貸農園は、現在の農地法の枠内行われるものだから、「作物栽培」しなければならない。
当然、病害虫の問題が出てくる。
特に市民農園の場合は、農業に見られない問題が浮上する
市民農園を行う人たちのほとんどは農業の「素人」であり、行われることは「趣味の園芸」レベルであり、
それは農地を利用しているが、それは「農業」ではないということである。
「農業の真似事」であるが、栽培した途端に、現在の農業である「化学農薬」を使用するkとになる。
各区画の栽培に使用される農薬は、全区画統一されたものではない。
各人が・・・最寄りのホームセンターから購入した農薬が使われることが多い。
全員がばらばらの多様な農薬が使用される。
ここで問題になるのが病害虫の「耐性」の問題である。
安心安全な・・・楽しみながら「自産自食」する野菜を作る・・・夢から、大きく乖離する現実である。
市民農園に参加した人から見れば・・・夢が破れた状態である。

棚田は、バラバラでは持続できない。
土壌管理が悪ければ・・・作物は、植物は育たなくなる。

食べのをつくるのは・・・草花を植える「趣味の園芸」ではない。
市民農園は、子供と一緒に行う場合が多いが、「食育」「植育」でもあるが、
「化学農薬」による消毒なしでは作れない・・・・・。
安心安全な食べ物は、現在の農法ではほとんど作れない。
更に、農家OBが栽培指導する場合は、、ほとんどその栽培法は、戦後の「農薬栽培」を行ってきた人である。
つまり「化学農薬」を使う指導を行うということである。

以上のように、市民農園には「現代農業」が抱える「農薬」問題があるということである。
この問題を抱えたまま、今後推移すれば、やがて、参加する人を確保できないということも有りうる。
グローバルGAP時代を展望すれば、益々、食の安心安全が都市生活者に定着する。
2010年のオリンピックが、それを加速させるであろう。
市民農園、貸農園が、化学農薬なしでは作れないとなれば、当然、参加を止める人も出てくる。
現在の都市生活者の応募者は、殆どの人が農業、作物栽培の実態を知らない。
農薬使用の洗礼を受けることになる。

全国の都市部の市町村のほとんどが、遊休農地の活用の一つとして「市民農場」を整備しているが、
時流に沿った企画ではなく、21世紀の美しい「棚田」を作る意味で・・・
都市生活者の「こころの棚田」を作る・・・意味で取り組むべきであろう。
週末のお遊び園芸で日本の農業の問題は解決しないからである。
現在の趣味の園芸レベルの栽培法では、絶対に無農薬栽培は出来ない。
現在は「有機」で・・・病虫害のことを解決できるように説明しているのを見かけるが、
市民農園に適合した「完全無農薬栽培」を考えるべきである。
治自体は、この「完全無農薬栽培」を真剣に考えなければならない。
持続可能な「市民農場」をである。
そのためには、グローバルGAP時代の到来を展望した「完全無農薬市民農園」を確立することである。
子供の安心安全を考えなければ・・・砂上の楼閣の棚田になるからである。
急速に進む農業の高齢化。
大都市一局化が進む日本の実態。
そういうことを展望すれば、今後ますます「市民農場」への欲求が大きなものなる。
労働のありようも大きく変動している中で、多くの人達が自然への回帰を欲求している。
「完全無農薬市民農場」が確立されれば、市民農場は大隆盛するだろう。
日本再生循環緑化研究所は、世界で初めて「完全無農薬栽培」に多くの作物で成功した。
この栽培法を、今後全国の「市民農園」「貸農園」提供してゆく。


農業と都市生活の融合「市民農園は、21世紀の「棚田」。
グローバルGAP時代を展望した これからの市民農園
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